香典や葬祭費などの給付金は確定申告が必要?葬儀費用に含める?税金は?

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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2024年11月19日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
香典や葬祭費などの給付金は確定申告が必要?葬儀費用に含める?税金は?

葬儀や通夜で弔問客から香典をもらうのが一般的です。香典とは故人の霊前に供える金銭や品物をいいます。

また、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった時、自治体から「葬祭費(埋葬料)」という給付金が支給されます。

このように、親族が亡くなったことでもらう香典や給付金はどのような取り扱いをすればよいのでしょうか。葬儀費用になるのでしょうか?それとも所得になるとして確定申告が必要でしょうか?

この記事では給付金と香典について説明していきます。ぜひ、参考にしてください。

葬儀費用は相続税から控除できる

通夜や葬儀にかかった費用は相続税から控除できます。確定申告からは控除できません。

葬儀費用を控除することで相続税を減らすことができ、遺族にとっても負担が軽減されるでしょう。ただし、相続税の控除対象となる葬儀費用は、葬儀を行い埋葬するために必ず発生する費用に限定されています。

相続税の控除対象となる葬儀費用

  • 通夜・葬儀にかかった費用
  • 火葬や埋葬、納骨にかかった費用
  • 遺体・遺骨の回送にかかった費用
  • お寺・僧侶に渡すお布施(読経料や戒名料)
  • 死体の捜索や遺骨の運搬(行方不明時)

葬儀にかかった費用については、領収書かレシートをもらっておきましょう。

相続税の控除対象とならない葬儀費用

  • 香典返しにかかった費用
  • 墓石や墓地の購入・貸借にかかった費用
  • 式以外の法事・法要にかかった費用
  • 医学・裁判上の特別処置にかかった費用

墓石や位牌、仏壇などは葬儀に必須でないと考えるため、葬儀費用とはみなされません。

香典は葬儀費用に含まれる?

香典とは、通夜や葬儀の際に故人に供える「金品」のことをいい、故人の供養として贈られますが、一般的には葬儀費用の金銭的負担を軽くするため喪主への贈与とされます。

そのため香典は相続財産にはあたらず、相続財産から控除する葬儀費用に含みません。

香典は申告が必要?

香典が贈与と考えられるなら、贈与税や所得税がかかって確定申告をしなくてはいけないのか?と心配になるかもしれません。

個人から受ける香典や花輪代、お見舞金などは社会通念上相当と認められる金額については非課税なので確定申告をする必要はありません。

裏を返せば、常識を越える額は、贈与税や所得税の課税対象とされる可能性があるので注意しましょう。

香典の相場としては、自分や配偶者の親兄弟の葬儀では「香典は出さない」という方が多いですが、5千円から1万円ほどが相場のようです。

葬祭費などの給付金は申告が必要?

「国民健康保険」「社会保険組合」や「後期高齢者医療制度」の加入者が亡くなると自治体から「葬祭費(埋葬料)」といった名目の給付金が喪主に支払われます。

この給付金は非課税なので、確定申告は不要です。また、給付金は相続財産ではありません。なお、給付金は全国一律ではなく、自治体によって3~7万円程度と金額が異なります。

なお、支給を受けるには、原則として喪主が葬儀後に自ら申請をしなければなりません。

「国民健康保険制度」と「後期高齢者医療制度」の違い

「国民健康保険制度」は、会社の保険に加入している方(その方に扶養されている方を含む)や生活保護を受けている方を除き、年齢が74歳以下のすべての方が加入する医療制度です。

それに対し「後期高齢者医療制度」は、年齢が75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)のすべての方が加入する医療制度です。

葬祭費と埋葬料の違い

  • 葬祭費…国民健康保険の加入者、もしくはその扶養家族に適用される
  • 埋葬料…国民健康保険以外の加入者に適用される

わかりやすく言うと、会社員や公務員を対象としているのが埋葬料であり、個人事業主やフリーランスを対象とするのが葬祭費です。

葬祭費などの給付金が受けられない場合もある?

お通夜や告別式を行わず火葬のみ行う直葬の場合は、葬祭費が支給されないことがあります。

保険者によっては支給されないこともあるため、亡くなった方の加入する公的医療保険の保険者(国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合は亡くなった方の住所地の市区町村、国民健康保険組合に加入していた場合はその組合)にご確認ください。

ただし、故人の国民健康保険料や後期高齢者医療保険料に滞納があると給付対象外となる場合もあります。

また、支給については、葬祭を行ってから2年で時効となるので早めに手続きをしましょう。

TIPS

直葬とは

直葬とは、通夜や告別式を行わず、僧侶をはじめとした宗教者による、読経などの宗教儀式を省いたお別れのかたちです。 「ちょくそう」または「じきそう」と読みます。通夜や告別式を行わないため、亡くなるとすぐに火葬となることから、火葬式と呼ばれる場合もあります。

喪主が相続放棄している場合、給付金はもらえる?

葬祭費は相続財産ではないので相続放棄をしても受給できます。

申請した葬祭費が実際に振り込まれるまでに1~2か月かかります。申請時に届け出た口座に振り込まれることが一般的です。

まとめ

家族が亡くなった後、遺産分割協議や相続税申告、葬祭費の申請などしなくてはならない手続きがたくさんあります。

申請漏れによってもらえるはずのお金がもらえないということがないよう、必要な手続きをリストアップするとよいでしょう。期限が定められている手続きもあります。

平日役所に行く時間がなかったり、自分でやるのが面倒な人は、相続手続きを専門家へ依頼するのも一つの方法です。

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