連年贈与とは?基礎控除を最大限に活用するために知っておくべきこと

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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2023年2月22日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
連年贈与とは?基礎控除を最大限に活用するために知っておくべきこと

生前贈与をお考えの方は、「現金を少しずつ贈与することで節税になる」というのはご存知かと思います。
これを「暦年贈与」と言い、年間110万円の基礎控除までは贈与税がかからないというわけです。
しかし、これが「連年贈与」と判断された場合、話が違います。
例えば毎年110万円ずつ、非課税で20年間にわたって合計2,200万円の贈与を受けたつもりでも、「連年贈与」と判断されると、最初の年に一度に2,200万円の贈与を受けたものとして、600万円超の贈与税がかかることになります(基礎控除は1年分のみ適用)。 そのため、もし疑いをかけられたときのために、暦年贈与であることを証明できるようにしておくことが重要です。
この記事では、暦年贈与と連年贈与の違いを詳しく解説するとともに、暦年贈与の証明方法についても解説していきます。
生前贈与についてお考えの方などは是非、参考にしてください。

連年贈与とは?

「連年贈与」という言葉は、法律用語ではないので、法律上の定義はなく、税理士等の専門家の間でも使われ方が統一されていないように思われます。

「連年贈与」は、主に、次の2つのいずれかの意味で使用されています。

  • 複数の年に分割して履行された一つの贈与
  • 独立した毎年の贈与

前者は「定期贈与」とよばれることもあり、後者は「暦年贈与」と同じ意味です(詳しくは、後述)。 「連年贈与」という文字から考えると、後者の意味で使用する方が適切のような気もしますが、一般的には、前者の意味で使用されることが多いように思われますので、この記事でも、前者に意味で使用します。

贈与税の課税方法と基礎控除

連年贈与の詳しい説明に入る前に、贈与税の課税方法と基礎控除について簡単に説明しておきます。 

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、相続時精算課税制度は一定の要件を満たすことで選択することができます(ただし、一度、相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与については翌年以降暦年課税を選択することはできません)。

基礎控除の適用を受けることができるのは、暦年課税方法を選択した場合のみです。

暦年課税方法では、贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

つまり、3人の子供に、年間110万円ずつ20年間にわたって贈与すると、110万円×20年×3人=6600万円となり、子供たちに合計6600万円を税負担なく譲り渡すことできます。

このように、暦年課税の基礎控除の適用を受けて贈与することを「暦年贈与」といいます。

暦年贈与ではなく連年贈与と判断されると基礎控除が適用されない

暦年贈与として基礎控除の枠内で贈与を受けたつもりでも、税務署が連年贈与と判断した場合は、贈与税が課税されます。 

例えば、毎年110万円ずつ20年間にわたって合計2200万円の贈与を受けたつもりでも、税務署が、2200万円の一つの贈与を110万円ずつ履行したに過ぎないと判断すると、贈与税は最初の履行があった年(書面によるものについてはその契約の効力の発生した年)にまとめて課税されます。 

1年間に控除できる金額は110万円なので、連年贈与としてまとめて課税されると、「2200万円-110万円=2090万円」に対して贈与税がかかることになります。

連年贈与と判断されることを回避する方法

税務署に連年贈与の疑いをかけられたときに、連年贈与ではなく暦年贈与であることが証明できれば問題ありません。

この点、贈与の度に贈与契約書を作成することによって、連年贈与ではなく暦年贈与であることが証明しやすくなります。 

そして、贈与契約書に公証役場で確定日付を付してもらうことによって、その日にその契約書が存在していたことを証明することができ、バックデート(契約を行った日のうちに日付を書き込まず、実際に契約を行った日よりも遅れてその日付を書き込むこと)で契約書を作成したのではないかと疑われることを避けることができます。 公証役場は全国にあります。 日本公証人連合会の公証役場一覧ページからお近くの公証役場を探すことができます。

なお、連年贈与を疑われることを回避するための他の対策として、契約日や金額を毎年変更するとか、110万円超の贈与を受けて少額の贈与税を納めるといったことが考えられますが、そこまでしなくても、内実が暦年贈与であって、かつ、そのことを証明するための確定日付のある贈与契約書が保管されていれば問題ないように思われます。

 不安な点は相続税対策に精通した税理士に相談して、周到に用意を進めることをお勧めします。

まとめ

以上、連年贈与について説明しました。

基礎控除を利用して非課税で贈与を受けるためには、税務署に連年贈与と判断されることを回避することも重要ですが、他にも注意点があります。

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本記事の内容は、遺産相続弁護士ガイドの記事を、原則、記事執筆日(2023年2月22日)時点の法令・制度等に基づき再編集しています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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