遺言執行者と相続人は同一人物でもいい?遺言執行者の注意点や報酬も解説

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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2024年11月18日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
遺言執行者は相続人と同一人物でも良い?
遺言執行者と相続人は同一人物でもいい?遺言執行者の注意点や報酬も解説

遺言執行者とは、遺言者が亡くなった後にその内容を実現させるための権利と義務を負う人です。

遺言執行者になれる人には何か決まりがあるのでしょうか。?遺言執行者は相続人と同一人物でもよいのでしょうか?

遺言執行者を相続人以外の専門家に依頼すると、費用はどのくらいかかるのでしょうか?この記事では、遺言執行者について簡潔にわかりやすく説明します。ぜひ、参考にしてください。

遺言執行者と相続人が同一人物でも法的には問題ない

遺言執行者と相続人が同一人物でも法的には問題ありません。例えば、長男と二男が相続人である場合に、そのどちらかが遺言執行者になっても構いません。

遺言執行者に指定されたとしても、就任するかどうかは遺言執行者が決められます。

遺言執行者が態度を明らかにしない場合、就任するかどうか期限を決めて催促することができます。

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言の内容を実現する人で、そのための権利と義務を負います。具体的には、財産目録の作成や預貯金の払い戻し、相続人への分配や不動産の名義変更、子どもの認知や相続人の廃除などをおこないます。

登記申請は、以前は「法定相続人に相続させる」と遺言があった場合、遺言執行者が単独で登記できませんでしたが、2019年7月1日以降、法改正により単独登記できるようになりました。

ただし、相続人の相続税申告は遺言執行者はできず、相続人の義務となります。

遺言書があるにもかかわらず遺言執行者が指定されていない場合、必要に応じて家庭裁判所へ遺言執行者の選任の申し立てをおこないます。

詳細は「遺言執行者とは?どんな場合に必要か?選び方や役割、報酬までわかりやすく解説」を参考にしてください。

相続人を遺言執行者にする場合の注意点

法的に問題がなくても、実務上、問題が生じることがあります。

相続人が遺言執行者になると、次のようなトラブル等になることがあります。

  • 遺言執行者に指定されなかった相続人が不満に感じトラブルに
  • 他の相続人から遺言執行者が遺産の一部を自分のものにしたと疑われトラブルに
  • 遺言執行者が相続手続きに不慣れなため長期間がかかり、他の相続人から手続きが遅いと言われトラブルに
  • 遺言執行者が自分で手続きができず、結局、自腹で弁護士に依頼することになり、始めから弁護士を遺言執行者に指定していればと後悔

遺言執行を専門家に依頼するメリット

前掲のようなトラブルは、遺言執行を専門家に依頼することで回避することができます。

遺言執行者に専門家を指定するメリットとして、次のようなことが挙げられます。

  • 相続人が相続手続きの手間から解放される
  • 相続手続きがスムーズに進むため、相続人が遺産を早期に取得できる
  • 相続人が精神的な負担から解放される
  • 遺言書作成と併せて依頼する場合は、より一層スムーズ

遺言執行ができる業種など

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 銀行
  • 親族に頼んだ場合

専門家に依頼した場合の費用・報酬

遺言執行者の報酬は、遺言書に記載がある場合はその金額に、遺言書に記載がない場合は相続人と協議して決めたり、家庭裁判所に決めてもらうことができます。

低廉な金額を勝手に遺言書に記載しても辞任されてしまうでしょうから、遺言執行者に指定する人に報酬額を確認したうえで、遺言書に記載しましょう。

なお、遺言執行を弁護士に依頼した場合の費用は、遺言の内容にもよりますが、遺言書作成時ではなく、遺言執行完了時に、遺言執行者が遺産から取得する場合が多いでしょう。

専門家に依頼した時の報酬は、「遺産総額の1~3%」が目安となります。事務所によって金額が異なるため、実際に問い合わせしてみるのがよいでしょう。相続費用見積ガイドでは、相続に強い士業から見積りを取ることができます。

銀行に依頼した場合の費用・報酬

銀行を遺言執行者として指定することも可能です。信託銀行などが遺言書の作成サポートから遺言書の保管、遺言執行までしてくれる「遺言信託」というサービスがあります。

この報酬は金融機関によって異なりますが、大手銀行では基本報酬100万円+遺言執行時に相続財産額に応じた金額と最低保証額がかかります。また遺言書の保管料も毎年発生します。

親族に頼んだ場合の費用・報酬

親族や相続人に遺言執行者を頼む場合もあります。このとき、報酬の有無や金額は定められていません。

遺言書に報酬の記載がない場合は、相続人全員で報酬額を話し合って決めます。話し合っても決まらない場合は、遺言執行者が家庭裁判所へ申し出ることによって、家庭裁判所に決めてもらうことが可能です。

遺言執行者の報酬については「遺言執行者の報酬の決め方や相場は?遺言書への記載方法も解説」を参考にしてください。

遺言執行者を選任するメリット

遺言執行者がいると遺言内容が実現しやすくなります。また相続人にとっても、自分たちで名義変更などをしなくてよいので手間が省けます。

ただし遺言執行者にはかなりの手間がかかるためそれを考慮したほうがよいでしょう。遺言執行者を誰にすべきかを考え、最初から専門家を指定しておくのもひとつの方法です。

まとめ

以上、「遺言執行者は相続人と同一自分でもよいか」という点などについて説明しました。

遺言執行者は多岐にわたる相続手続きをする必要があり、かなりの手間がかかるため専門家に依頼したほうがよいでしょう。

「遺言書の作成について相談したい」「遺言執行者を専門家に頼みたい」という人は、専門家に相談することをおすすめします。

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