法定相続情報証明制度の相続手続きでの3つのメリット・デメリット、法定相続情報一覧図の取得方法や費用【行政書士監修】
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法務局が交付する法定相続情報一覧図の写しは、相続登記だけでなく金融機関や生命保険などの相続手続きで戸籍謄本等の代わりに使えます。
加えて、2020年10月26日から、被相続人の死亡に起因する各種年金等手続においても、身分関係を証する書面として、法定相続情報一覧図の写しが使用できるようになりました。
この記事では、法定相続情報一覧図のメリット・デメリットから申出方法、利用できる手続きや必要となる費用などについて、まとめて解説します。
- 法定相続情報証明制度を活用して戸籍謄本を集めることがラクになる!
- 法定相続情報一覧図は相続に関するさまざまな手続きに使える!
- 法定相続情報一覧図の作り方やメリット・デメリットを知りたい
目次
法定相続情報証明制度とは
法定相続情報証明制度は、被相続人と法定相続人の相続関係を法務局の登記官が認証する制度です。
戸籍謄本と相続関係を一覧図にしたものを法務局に届け出ると法定相続情報一覧図の写しが交付され、相続財産の名義変更等の手続きに利用することができます。
法定相続情報証明制度の3つのメリット
法定相続情報証明制度は、相続関係を証明するための戸籍謄本等の数が多く、名義変更が必要な相続財産の種類が多い場合にはメリットが大きい制度です。ここでは、法定相続情報証明制度の3つのメリットをあげていきます。
メリット1 戸籍謄本の束がA4用紙1枚の法定相続情報一覧図にまとまる
相続手続きの際には、相続関係を証明する書類を用意します。被相続人については出生から死亡までの連続した戸籍(除籍)謄本が、相続人については全員分の戸籍謄本(抄本)が必要です。
このため、被相続人が本籍を何度も移動していたり相続人の数が多い場合や、甥や姪が相続人になるなど相続関係が複雑なケースでは、かなりの枚数の束になります。
法定相続情報一覧図の写しは、この戸籍謄本の束がA4用紙1枚にまとまるため、持ち運びや郵送・管理などがしやすくなります(子が多い場合など、複数枚になる場合もあります)。
メリット2 複数の名義変更手続きを同時におこなえる
名義変更の際に提出した戸籍謄本の束は、多くの場合手続きの後に返却されます。このため、1つの束をすべての相続手続きで使い回すことも可能です。
しかし、提出と返却を繰り返しおこなう必要があり、相続財産の種類が多い場合は時間がかかります。
法定相続情報一覧図の写しは複数枚交付してもらえるため、同時にいくつもの名義変更手続きをおこなえます。
メリット3 法定相続情報一覧図の写しは無料で必要なだけ交付可能
これまで、複数の名義変更手続きを同時におこないたいときなどは、手続きごとに戸籍謄本の束を用意する必要がありました。
しかし、ひとつの戸籍謄本の束を作るのに、数千円から場合によっては1万円以上かかる上、足りない場合は戸籍謄本等を取り直す手間もありました。
法定相続情報一覧図の写しは、無料で必要な枚数の交付を受けることができます。また再交付についても無料です。
法定相続情報証明制度の3つのデメリット
法定相続情報制度にはメリットも多い一方で、急いで名義変更をおこないたいときや名義変更が必要となる財産の種類が少ない場合には不向きな制度と言えます。法定相続情報証明制度のデメリットは下記の通りです。
デメリット1 一度は戸籍謄本等一式を集める必要がある
法定相続情報証明制度を利用するには、一度は戸籍謄本等一式を集める必要があります。集めた書類をもとに法定相続情報一覧図を作成し提出するため、従来よりも手続きの数が増えることになります。
このため、相続財産が1つの銀行の預金のみなど必要な相続手続きが少ない場合は、従来通り戸籍謄本の束を使ったほうが手続きが少なくて楽な可能性もあります。
デメリット2 法定相続情報一覧図の写しが交付されるまでに時間がかかる
法定相続情報一覧図の写しは、必要書類を提出してから交付されるまでには数日から2週間程度かかります。急いで名義変更等の手続きをおこないたいときは時間のロスとなるため、戸籍謄本を取り寄せて手続きしたほうが早い場合もあるでしょう。
デメリット3 法定相続情報一覧図に対応していない金融機関もある
最近ではほとんどの金融機関で対応していますが、まだ法定相続情報一覧図に対応していない場合もあります。その際は従来通り戸籍謄本の束での手続きが必要となります。
法定相続情報証明制度ができた背景
法定相続情報証明制度は、平成29年5月29日から全国の法務局(登記所)において始まった新しい制度です。
不動産を相続したら、所有者を被相続人から相続人へと変更する相続登記をおこなう必要があります。
今までは相続登記には期限がなく、おこなわない場合も罰則がなかったことから、相続登記が完了されないまま放置されている不動産が少なくなく、これが所有者不明土地問題や空き家問題の一因となっていました。相続登記が進まない一因として、手続きの煩雑さが挙げられ、そのうちの戸籍謄本等の添付に関する負担を軽減し、相続登記を促進するために法定相続情報証明制度が新設されました。
また、この制度を利用する相続人に相続登記のメリットや放置することのデメリットを登記官が説明したりすることで、相続登記の必要性について意識を向上させるねらいもあります。
なお、令和6年4月1日からは相続登記の義務化され、違反した場合には罰則も付せられます。
法定相続情報一覧図の取得方法
法定相続情報一覧図は、単に法務局に戸籍謄本等を出せば発行してもらえるわけではありません。
法定相続情報証明制度を利用するためには、戸籍謄本等を収集して法定相続情報一覧図を作成し、法務局に申出(提出)します。
申出をすると法務局では登記官による確認の後、法定相続情報一覧図の保管と認証文が付いた法定相続情報一覧図の写しの交付されます。
法定相続情報一覧図の写しを取得するまでの流れを説明していきます。
相続関係を証明するための書類の収集
相続関係を証明するために次の書類を収集します。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本及び除籍謄本
被相続人の戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で取得できます。ただし、結婚や転籍などで本籍地を移動している場合は、以前の本籍地の市区町村からも取り寄せる必要があります。
被相続人の戸籍謄本を取得できるのは、被相続人と同じ戸籍に入っている人と、被相続人の配偶者、直系尊属(両親や祖父母)、直系卑属(子や孫)のみとなります。行政書士や司法書士等に取得を依頼する場合は、委任状が必要です。
被相続人の住民票の除票の写し
法定相続情報一覧図には被相続人の最後の住所を記載するため、被相続人の住民票の除票の写しが必要です。
被相続人の最後の住所地の市区町村で取得しますが、除票の写しは原則本人しか請求することができません。
このため、相続人等が請求する場合は請求理由を明らかにした上で、被相続人との関係を確認できる資料や本人確認書類が必要です。
相続人全員の戸籍謄本または抄本
相続人を確定させるため、被相続人が亡くなった時点における相続人全員の戸籍謄本または抄本が必要です。ただし、被相続人の配偶者や未婚の子など、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本で内容が確認できれば、新たに取得する必要はありません。
各相続人の住民票の写し
法定相続情報⼀覧図に相続⼈の住所を記載する場合に各相続人の住民票の写しが必要です。住所の記載は任意のため、記載しない場合は不要です。
しかし、法定相続情報一覧図に相続人の住所が記載されている場合は、相続登記の手続きなどの際に住民票の写しの提出が不要となります。このため、住所も記載しておくことをおすすめします。
法定相続情報一覧図の作成
法定相続情報一覧図を作成するために記載する項目は次の3つです。
- 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日(申出人の選択により、被相続人の最後の本籍も記載可)
- 相続開始の時の同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄(任意で住所を記載することも可能)
- 法定相続情報一覧図の作成年月日、申出人の記名、作成者の署名又は記名押印、作成者の住所(申出人が行政書士や税理士などの資格者代理人の場合には、事務所所在地、資格の名称)
法定相続情報一覧図記載例
法務局に提出する法定相続情報一覧図は、長期間保管しても変質しない上質紙等の白いA4用紙に作成します。上記のような図形式のほか、被相続人及び相続人を単に列挙する記載も可能です。
また、エクセルなどで作成するのが一般的ですが、楷書ではっきり読めるように書いてあれば、自筆でも問題ありません。
下から約5cmの範囲に認証文が記載されるため、下から約5cmの範囲は空欄にしておきます。
法務局ではダウンロードして利用できるエクセルのテンプレートも用意しています。相続人が配偶者と子どもの場合や、配偶者と兄弟の場合、代襲相続が生じている場合など様々なパターンのテンプレートがあるため、自分が当てはまるものを選んで使うと作成が容易です。
申出書の記入
必要書類が準備できたら申出書を記入します。以下は記入見本です。
申出書には、被相続人及び申出人の氏名や住所等のほか、不動産を相続する場合はその所在地を記入します。
また、交付を受ける法定相続情報一覧図の写しの枚数や受け取り方法も申出書に記入します。手続きに必要な範囲で複数枚交付を受けることができるため、必要枚数を記入します。
申出書の様式と記入例は法務局のホームページからダウンロード可能です。
法務局への申出
法務局への申出は、下記の4つの書類を提出します。
法務局への提出書類
- 作成した法定相続情報一覧図
- 申出書
- 法定相続情報一覧図作成に使用した戸籍関係資料一式
- 運転免許証等のコピー等本人確認書類(コピーの余白部分に原本と相違がない旨を記載し、申出⼈の記名・押印をおこなう)
戸籍関係資料は法定相続情報一覧図の写しが交付される際に返却されますが、運転免許証のコピー等の本人確認に使用した書類については返却されません。
申出人が代理人に依頼して申出をおこなう場合には、上記の1から4に加えて次の書類が必要となります。
- 委任状
- (親族が代理する場合)申出⼈と代理⼈が親族関係にあることが分かる⼾籍謄本
(3で親族関係が分かる場合は不要) - (資格者代理⼈が代理する場合)資格者代理⼈団体所定の⾝分証明書の写し等
申出人となれるのは、相続人(又はその相続人)のみです。1人だけでなく、連名で申出することも可能です。
申出人から依頼がある場合は、親族のほか弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士が代理人になることができます。
また、必要書類については、法務局のこちらのページにあるチェックシートで確認することができます。
なお、申出できるのは、次の4つのいずれかを管轄する法務局となります。
申出できる管轄の法務局
- 被相続人の本籍地
- 被相続人の最後の住所地
- 申出人の住所地
- 被相続人名義の不動産の所在地
1の「被相続人の本籍地」は被相続人が亡くなったときの本籍地となります。4の「被相続人名義の不動産の所在地」は被相続人が複数の不動産を所有していれば、そのうちのいずれの所在地でも可能です。
法定相続情報一覧図を交付できるのは申出をおこなった法務局のみのため、申出人が最も利用しやすい法務局を選びましょう。
管轄する法務局の所在地や連絡先は、法務局の管轄の案内のページで調べることができます。
必要書類一式を法務局の窓口に提出すると法定相続情報一覧図交付予定票が渡されます。
交付予定日が書かれているだけでなく、後日この用紙と引き換えに法定相続情報一覧図の写しを受け取ることができます。
法定相続情報一覧図の交付
法定相続情報一覧図の写しは、申出した法務局の窓口に次の2点を持参し、受け取ります。
- 法定相続情報一覧図交付予定票
- 「申出人の表示」欄に押印した印鑑
申出から交付までは法務局の混雑具合よりますが、数日から2週間程度かかります。法定相続情報一覧図交付予定票に記載された日を確認の上、受け取りに行きましょう。
法定相続情報一覧図の取得にかかる費用
法定相続情報一覧図の取得のための法務局への申出にも交付にも手数料はかかりません。
法定相続情報証明制度は相続登記の促進を目的に新設されたこともあり、手軽に利用してもらい意図があるので費用がかからないようにしていると思われます。
戸籍謄本等の実費
- 戸籍謄本 450円/1通(除籍謄本は750円)
- 住民票及び住民票の除票 200~500円/1通(発行する自治体により差がある)
上記の手数料に加え、郵送で取り寄せる場合は切手代がかかります。
一般的な場合実費の合計額は数千円程度ですが、被相続人が本籍地を複数回移動していたり、相続人が多い場合や甥や姪が相続する場合などは必要な書類が多くなるため1万円を超すこともあります。
しかし、この費用は従来通りの相続手続きでも必要となるため、法定相続情報証明制度を利用するためだけにかかるわけではありません。
専門家に作成を依頼する際の報酬
法定相続情報証明制度の手続きを依頼できる専門家は、弁護士、司法書士、税理士、行政書士等の士業です。専門家に依頼する場合は、他の手続きとまとめて依頼すると効率が良いでしょう。
なお、法定相続情報証明制度の手続きを依頼する場合の費用は、作成及び申出のみで1万円からが一般的です。戸籍謄本などの収集も含めて依頼すると別途料金が発生します。
法定相続情報一覧図が使える相続手続き
戸籍謄本等の代わりに法定相続情報一覧図の写しが使える手続きには、下記のようなものがあります。
相続登記
相続登記も法務局で行うため、同時に手続きすることも可能です。
相続登記は司法書士に依頼し、それ以外の手続きは自分でおこなうという方は、法定相続情報一覧図の作成と申出も司法書士に依頼すると、その後自分でおこなう手続きが楽になります。
金融機関での手続き
預貯金の名義変更や解約、株や投資信託等の名義変更にも法定相続情報一覧図の写しが利用できます。手続きをしなくてはいけない金融機関が多い場合は便利です。
ただし、すべての金融機関で利用できるわけではありません。また、提出する法定相続情報一覧図の写しの有効期限を「申出から1年」などと定めていることもあるため、確認してから利用しましょう。
生命保険金の受取
これまで保険金の受け取り手続きには戸籍の束が必要でしたが、法定相続情報一覧図の写しでの代替も可能となりました。
自動車の名義変更
自動車を相続しても乗らずに売却や廃車することも多いですが、このような場合でも一旦は相続人に自動車を引き継ぐことになります。
自動車の名義変更手続きは、原則戸籍謄本等の原本を必要とし、提出した原本は返却されないこともあるため、ほかに終わっていない相続手続きがある場合には、再度戸籍の収集が必要となることもあります。
自動車の名義変更の際に法定相続情報一覧図の写しを利用すれば、戸籍謄本等を取り直す手間が省けるでしょう。
相続税の申告
2018年4月1日以降の相続税の申告からは使用できるようになりました。
ただし、法定相続人の数に含めることのできる養子の数には制限があるため、相続税の申告に利用する場合は、法定相続情報一覧図に記載する子どもの表記には戸籍に記載される続柄を記載する必要があります。
各種年金等手続き
2020年10月26日から、被相続人の死亡に起因する各種年金等手続(例:遺族年金、未支給年金及び死亡一時金等の請求に係る手続)において、死亡した保険給付の受給権者または死亡した被保険者若しくは被保険者であった者との身分関係を証する書面として、法定相続情報一覧図の写しが使用できるようになりました。
法定相続情報一覧図の写しの再交付
法定相続情報一覧図の写しが足りないときは、無料で再交付を受けることが可能です。
再交付の方法
法定相続情報一覧図の写しの再交付は、申出した法務局でのみ可能です。再交付申出書に必要事項を記入して、以下の2つの添付書類とともに申出をした法務局に提出します。
- 再交付申出書
- 申出人の住民票の写しや運転免許証のコピーなど本人確認ができる書類
また、申出時から住所や氏名が変わったときは、前住所が記載された住民票や氏の変更の記載のある戸籍謄本などが必要です。代理人が再交付の申出をする場合は、委任状が必要です。
申出した本人以外は再交付を受けることはできません。それ以外の人は相続人であっても申出人の委任状がなければ再交付を受けることはできません。このため、別の相続人も再交付を受ける可能性がある場合は、連名で申出することをおすすめします。
再交付の期限
提出した法定相続情報一覧図の保管期間は5年間のため、申出から5年間は再交付が可能です。
法定相続情報一覧図の注意点
数次相続をまとめて記載できない
最初の相続の手続きが終わる前に次の相続が発生することを数次相続(すうじそうぞく)といいます。例えば、父親が亡くなってすぐに母親も亡くなったときなどがこれに該当します。
法定相続情報一覧図は、1つの相続ごとに1枚となりますので、複数の相続をまとめて記載することはできません。このため、数次相続で法定相続情報一覧図の写しを利用するためには、相続ごとに申出し、2枚を1組で使用する必要があります。
日本国籍を持っていないと使えない
戸除籍謄本等の書類を添付することができない場合、法定相続情報証明制度を利用することができません。このため被相続人や相続人の中に日本国籍を持たない人が1人でもいる場合は、この制度は利用できません。
法定相続情報一覧図に関するよくある疑問
発行した法定相続情報一覧図に有効期限はある?
法定相続情報一覧図の写しは、特に有効期限の設定はありません。ただし、金融機関によっては独自に申出からの期限を定めていることもありますので、提出前に確認が必要です。
法定相続情報一覧図と相続関係説明図との違いは?
法定相続情報一覧図と相続関係説明図は、どちらも被相続人と相続人の関係について記載したものですが、一番の違いは戸籍謄本等の代わりになるかどうかです。
法定相続情報一覧図は法務局が認証文を付与してくれるため、戸籍謄本等がなくても相続関係を証明する書類として使用することができます。
一方、相続関係説明図は相続関係がわかりやすいようにするもので、被相続人と相続人との関係について法定相続情報一覧図より多くの情報が記載されます。これだけで相続関係を証明する書類として使用することはできませんが相続関係説明図と戸籍謄本等を提出することで戸籍謄本が返却されます。
また、相続関係説明図は提出すると戸籍謄本等の原本が還付されますが、法定相続情報一覧図は提出すると戸籍謄本等の提出が不要になります。
法定相続情報一覧図は、被相続人及び相続人の戸籍から判明した事項以外を記載することができません。このため、相続人の中に相続放棄をした人や相続欠格の人がいても、そのことについて記載することはできません。相続関係説明図ではこれらの情報も記載することができます。
なお、数次相続が生じている場合、法定相続情報一覧図については1つの相続を1枚から数枚の用紙上に作成しなくてはいけませんが、相続関係説明図ではすべての相続について1つの図にまとめることが可能です。
申出や再交付依頼は郵送でも可能?
申出・再交付依頼ともに郵送でおこなうことが可能です。
郵送で戸籍の束の返却と法定相続情報一覧図の写しの交付を受ける場合は、その旨を申出書に記入し、返信用封筒と切手を同封して申出する法務局に送付します。
返却される戸籍の束と交付を受ける法定相続情報一覧図の写しの重さを考え、返送の郵便料金に足りる分の切手を同封するようにしましょう。
再交付の場合は、申出した法務局あてに必要書類と返信用封筒、返送用の切手を送付します。
提出した書類に不備があるとどうなる?
申出書類に不備があった場合、再提出が求められます。再提出の依頼に対し必要な書類や正しい法定相続情報一覧図が提出されない場合は、法務局から郵送料は申出人ご負担で書類一式が返送されてきます。
返送に応じない場合は、申出から3ヵ月経過後に提出書類は破棄されてしまいますので、再提出依頼があった際は早めに対処しましょう。
まとめ
法定相続情報一覧図の写しは戸籍謄本の束の代わりに使えるため、相続関係が複雑なケースや名義変更が必要な財産の種類が多い場合には大変利用価値が高いです。
一方、戸籍謄本等はこれまで通り収集した上で、元となる法定相続情報一覧図を作成して法務局に届け出る必要があるため、1つ手間が増えることになります。
法定相続情報一覧図を使ったほうが良いかについては、被相続人と相続人の関係や人数、相続財産などにより異なります。
相続手続きを専門家に依頼する場合には、法定相続情報一覧図の作成や申出を代行してもらうことも可能ですので、制度を利用するかどうかも含めて相談してみてはいかがでしょうか。
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