相続放棄が認められない事例とは?失敗しないための対処法や熟慮期間について解説
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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2023年1月11日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
亡くなった人が多額の借金を抱えていた場合、相続放棄をするかどうかで今後の人生が大きく変わってきます。
相続放棄によって、故人の財産の相続権をすべて放棄することができるからです。相続放棄しなければ、相続人が負債を抱えることになります。
しかし相続放棄は必ずしも認められるとは限りません。
この記事では、相続放棄が認められない事例と、認めてもらうためのポイントについて解説します。ぜひ、参考にしてください。
相続放棄とは?
相続放棄とは、被相続人(亡くなった人)の財産について、相続権を放棄することです。
つまり、相続放棄をすると「始めから相続人ではなかった」ことになるので、被相続人の負債を背負う必要はありません。
その代わりプラスの財産もすべて放棄しなければなりません。
相続放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申立をおこないます。
相続放棄が認められない事例
家庭裁判所は、却下すべきことが明らかな場合以外は、相続放棄の申述を受理すべきであるとされています。
それでも、相続放棄が認められなかった事例がいくつかあります。
単純承認とみなされてしまった
単純承認とは、被相続人の相続財産を無条件ですべて相続することです。特別な手続きは必要ありません。
相続が始まったことを知ってから3ヶ月以内に何もしなければ、自動的に単純承認したことになります。またこの期間を「熟慮期間」と言います。
相続の方法
相続の方法は単純承認のほかに、限定承認か相続放棄があります。
限定承認とは、被相続人のプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続することです。
単純承認したとみなされる行為
単純承認したとみなされる行為をすると、相続放棄が認められません。相続放棄の可能性が少しでもあるなら、被相続人の財産には手をつけないほうが無難でしょう。
- 相続財産を捨てた
- 相続財産を使い込んだ
- 実家の改築など相続財産を改修した
- 被相続人の銀行預金を自分の口座に移した
- 被相続人の賃貸物件の賃料を借り主に請求した。賃料の振込先を自分の口座に変更した
- 遺産分割協議に参加した
- 相続財産を他の相続人から隠した
- 被相続人の不動産や車を名義変更した
- 被相続人の自宅にあったものを、形見分けとして相続人で分け合った
- 被相続人宛の携帯電話料金や光熱費を、代わりに支払った
- 相続債務を相続財産から弁済した
熟慮期間(申述期間)を超えてしまった
ほかによくある例として、相続放棄の熟慮期間を超えてしまったケースが考えられます。
相続放棄の申述の期間は、上記のとおり「相続開始があったことを知ったときから3か月」です。原則としてこの期間を超えてしまうと、相続放棄ができなくなります。
もし熟慮期間を過ぎてしまう可能性があるのなら「熟慮期間の伸長の申立」が必要です。しかし申述期間を超えても、相続放棄が認められた場合があります。
熟慮期間を過ぎても受理されるケース
熟慮期間を過ぎてからの申請は、「こうすれば必ず認められる」という条件はありません。ただし、これまでに認められた事例の傾向から、いくつかのケースがあげられます。
- 相続放棄の動機となる財産・債務の存在を知らなかった
- 知らなかったことについて相当な理由がある
- 知ってから3カ月以内に相続放棄の申述をした
期間を過ぎてしまった相続放棄を裁判所に認めてもらうには、ある程度専門家のスキルや経験が必要です。自分で手続きをするのは難しいので、一度専門家に相談すると良いでしょう。
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相続放棄を認めてもらうためのポイント
相続放棄を家庭裁判所に認めてもらうためには、どのような方法があるのでしょうか?
遺産を適正に管理する
前述したように、単純承認とみなされると相続放棄ができません。そのため遺産を適正に管理することが重要です。
また単純承認してしまっても、相続放棄できる可能性もあります。相続に強い専門家に相談してみると良いでしょう。
「隠れた債務」に注意する
被相続人が亡くなってしばらく経ってから、見に覚えのない債務の請求書が届く場合があります。
このような請求書が来たときは、3ヶ月以内に直ちに相続放棄の手続きをしなければなりません。3ヶ月を経過すると、その後裁判をしても相続放棄が認められない可能性が高いです。
熟慮期間を延ばしてもらう方法
相続の熟慮期間は原則として3ヶ月と決まっていますが、ケースによっては延長が認められます。
財産調査が間に合わない場合
相続人は熟慮期間内に財産調査をおこない、相続の方法を選択します。財産調査には被相続人や相続人の戸籍を揃え、そこから関係先に申請をおこないます。
相続人の人数が多かったり、相続財産が海外にある場合などは調査に時間がかかってしまいます。また特定の相続人が相続財産を隠していたりこともあります。
相続財産が正しく把握できないと、相続放棄をすべきか判断できません。そのため熟慮期間の伸長が認められる場合があります。
複数の相続人の所在が不明な場合
相続財産調査と平行して、相続人調査もおこなう必要があります。これは誰が相続人なのか、明確にしておくためです。
相続人調査で戸籍を遡った際、想定していなかった新たな相続人が見つかることもあります。連絡を取れない相続人が複数人いると、熟慮期間の伸長が必要です。
自分が相続人であることを知ったのが遅れた場合
被相続人が疎遠であったり、家族との関係を断っていた場合は、自分が相続人であることを知らずに被相続人の死亡から3ヶ月経過してしまいます。
そのときは熟慮期間が「自分自身が相続人である事実を知った時点から3ヶ月間の期間」に変更されるため、申請をおこないましょう。
ただし、熟慮期間の延長の申立は3ヶ月の熟慮期間内にしなけれならず、注意が必要です。
相続放棄が認められなかったときの対処法
家庭裁判所から相続放棄の申立を却下された場合でも、2週間以内であれば即時抗告をすることができます。
相続放棄が却下された理由を具体的な事実で否定できれば、熟慮期間の延長など対処できる可能性があります。相続放棄に詳しい士業に相談すると良いでしょう。
まとめ
被相続人が亡くなった場合、相続人は相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に単純承認、限定承認、もしくは相続放棄のいずれかを選択しなければなりません。
この判断には、相続財産調査や相続人調査が必要不可欠になってきます。とくに負債がどのくらいあるかは正確に把握しておかなければなりません。
また熟慮期間の伸長の申立は、相続人がそれぞれおこないます。自分で手続きをするのが難しい場合は、専門家に依頼したほうが良いでしょう。
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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2023年1月10日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
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